2009年6月6日土曜日

「九份-金瓜石」

  黄金山城-鉱山の旅
「九份-金瓜石」

 

黃金博物館

文化遺産保存の理念から古い建築物を再利用した黄金博物館の園内には、本山の五つの旧坑道や日本式建築物、サイクリングロード、黄金博物館、黄金神社、煉金楼、昔ながらの郵便局や派出所、三毛菊次郎邸宅、日本式旅館、太子賓館などがある。

中でも、黄金博物館には重さ220キロにも及ぶ世界で最大級の999純金延べ棒が展示されている。太子賓館の形式や間取りは日本の旅館と瓜二つであり、富士山の装飾がしつらわれた窓など気高い品格を醸し出しており、その神秘的な趣や日本的美意識は一見に値する。

交通: 基隆駅I-MEIスーパー(義美超市)前から基隆客運バスで九份を通り、「金瓜石」下車。車の場合は瑞芳暖暖ICより、案内板に従って前進。

 

福山宮

”廟の中の廟”という奇観を有する福山宮は、清道光28年(1848年)に建設され、かつての金鉱労働者たちの土地の神への感謝を表す。神棚の上の裸の胸を持つ天使から、当時の九份の開放的な気風が窺える。園内の小道に植えられた桜は日本統治時代に源を発しているが、民衆が風俗に溺れずもっと屋外へ出るよう望んだ日本人の思いが込められているという。

交通: バスで「欽賢國中」で下車。車の場合は、九份から102県道を、「隔頂」を通過し金瓜石の方向へ。

 

小金瓜鉱脈

前方にかばの頭のような山が見えてきたら、それが九份の金鉱区の入り口である。1890年、劉銘伝という労働者が川辺で弁当箱を洗っていた時、砂金の粒を発見したのが始まりだという。そうして基隆川を逆流して上って行き、この金鉱脈を発見した。当時は含金量が大変豊富であり、一碗の土壌の中から半碗の金が採れたという、本地区は日本統治時代の日本人に”アジアの金の都”と呼ばれていた。

交通: 102県道を19.5キロ直進。

 

報時山展望台

展望台は金瓜石集落の山間の高い場所に位置し、東海に面している。 かつては国防の要地であった。峰に沿って木の柵がしつらえてある散歩道がある。時々野良犬が姿を見せ、風が強く、視界が広く、黄金海岸や金瓜石・水湳洞両集落が展望できる。

交通: 勧済堂右側の山道を上へ。

 

濂洞国小

基隆山の中腹にあり、鉱山労働者の子弟たちが最も多かった頃の人口は千人を超えた。校内からの景色は大変良く、東は太平洋、南は茶壺山、西は鶏籠山、北は基隆島が望める。入り口付近にある滑り台は遊び心に溢れ、また北台北で最長の滑り台でもある。

交通: 台二線81.5キロ地点を右折、右側の山道を上へ。

 

大粗坑集落(1893-1980)

土壌が粗末な所を中国語で「粗坑」と呼ぶが、1930年、ここは採金業により栄え、300世帯から日に日に人口が増し、多い時には1,000人にも上り、当時は「小美国」の名で知られた。この集落は同時に名監督呉念真の故郷でもある。だが、当時のビリヤード場や病院、学校は現在では地面に埋もれ跡形もない。

交通: 小金瓜露頭(鉱脈)の西側の山坂に位置する。

 

不厭亭

雙渓と九份の境に位置し、その名は李白の漢詩、「相看両不厭(相看て両に厭はざる)」に由来する。道の両側を花に囲まれ、振り返れば山海と青空が続く102県道は大変ロマンチックな景観を持つが、あまり人には知られていない。

交通: 九份より102県道を雙渓方向へ直進。

 

十三層遺跡

日本統治時代の銅の精錬所「選鉱煉製廠」は1933年に設立され、1981年に生産停止。

位置: 台二線約81キロ地点の濂洞湾を上へ。

 

金瓜石地質公園

小金瓜鉱脈を九份の金鉱史の始まりとするなら、地質公園は金瓜石の採鉱の1ページ目と言えるだろう。金瓜石の地名は、その山の形状から台湾語で南瓜(カボチャ)を指す「金瓜」と呼ばれたことが由来となった。かつての鉱山労働者たちが歩いた道を辿って、古い鉱区まで足を伸ばすことができる。

位置: 102県道を18キロ直進。

 

祈堂老街

九份には別名「暗街仔」と呼ばれる基山街があり、金瓜石の祈堂路に当たる。賑やかさを求めるなら九份へ、静かで淋しい趣を求めるなら、この祈堂老街がお薦めだ。黒々とした屋根と野良猫、どこまでも続く階段、駄菓子屋、漫画屋、雑貨屋がこのひっそりとした町の全てだ。

交通: 勧済堂の左側から石段を下りる。

 

黃金海岸

全世界で唯一砂金が採れる黄金海湾。天気や季節によって海面の色合いは様々に変化する。鉱山地区の鉱酸水が海に流れ、三価鉄イオン化合物となって海面に浮かぶ。自然の化学反応であり、人為的な汚染ではない。潮風や地球の回転、地形などの要素により、この黄金地区は外へ拡散しない。

位置: 台二線約80.7キロ地点。

 

台陽鉱業会社

日本統治時代厳雲年「藤田組」の手中から金鉱権を取得し、台陽鉱業事務所が設立され、九份の採金業務を管理する行政センターとなった。全九份で最も美しい坑口──八番坑は事務所に隣接され、豎崎路と汽車路の境目に位置する。

位置: 九份派出所の下方。

 

黄金の滝

金鉱の採掘は地下の伏流を生み、壮観をたたえる滝を生んだ。水の方向や勢いは雨量によって変化し、また雨水と黄鉄鉱などが化学反応を起こし、酸化還元を経て鉄分の触媒反応し、オレンジ色の酸性鉱水となっている。

交通: 台二線を黄金海岸にて金水公路へ上がり、長仁社区方向へ向かう 。

 

九份老街

旧道沿いのセブンイレブンの隣が入り口になっている。基山老街では台湾の点心や名産品、金枝肉圓(台湾風肉団子)、芋仔(タロイモ餅)、草仔粿(草餅)、焼きエリンギ、台湾の名産ウーロン茶や基隆の李儀餅などの店が立ち並ぶ。商店は老街の手前3分の1に集中している。鉱区の素朴な風情をより深く体感したい場合は、3分の2ほどの道程を残したあたりの地点からまた一味違った九份を楽しむことができる。

 

阿妹茶楼

女主人は長年の舞踊研究家であり、舞踊の流動感が空間設計に生かされている。九份特有の軒の上に幾つもの窓がしつらえてあり、山の息吹を感じることができる。限りある空間の中で、窓から見える山海の景観は店内を大変開放的にしている。雨季に軒下から滴るカーテンのような雨水は、より一層の趣を醸し出す。

心地よい空間の中で、茶や食事を愉しむことができる。日本人観光客に最も好まれるのは「田舎料理」。オクラの料理やアワビの卵サラダ、甘みのあるタロイモの揚げ物などどれも独特だが、うす塩のさっぱりした味付けで美味。個室での茶芸も楽しめる。また、洒落た竹のメニューに載っている「旧情綿綿」とは、フルーティーな香りが楽しめる高級ウーロン──「冬片」。繰り返し九回まで変わらぬ香りが楽しめる。若い茶葉を粉にして作った「茶餅」と一緒に召し上がるのがお勧め。焼きたての滑らかな舌触りは絶品。

地址: 臺北縣瑞芳鎮崇文里市下巷20號
電話: 886-2-2496-0833
お勧め料理: 田舎料理セット、旧情綿綿(冬片)、茶餅。

 

天空之城

電話: 886-2-2496-7767
地址: 臺北縣瑞芳鎮輕便路308號
営業内容: 喫茶、コーヒー、軽食、陶器